派遣の3年ルール
2026/10/08
「派遣は3年で終わりと聞いたけれど、本当だろうか」。
施工管理の仕事で派遣を考え始めると、この「3年ルール」が気になる方は多いはずです。
契約を切られるのではないか、という不安は自然なものです。一方で、ルールの中身は、思われているより細かく決まっています。
この記事では、厚生労働省の資料にもとづいて、3年ルールの基本と、3年が近づいたときの選択肢を整理します。
先に結論:3年で自動的に仕事を失うわけではありません
3年ルールは、同じ人が、派遣先の同じ組織単位(いわゆる「課」)で働ける期間に上限を設ける決まりです。
「派遣で働くと、3年たてば自動的に仕事を失う」という決まりではありません。
上限に近づいたときに、派遣会社が取るべき措置も、法律で定められています。
派遣の「3年ルール」は2種類あります
現在の期間制限には、「事業所単位」と「個人単位」の2種類があります。名前は似ていますが、中身は別のものです。
1. 事業所単位の期間制限
派遣先が、同じ事業所で派遣労働者を受け入れられる期間は、原則として3年までです。
3年を超えて受け入れる場合、派遣先は、事業所の過半数労働組合(ない場合は過半数代表者)から意見を聞く必要があります。
この意見聴取は、期間の終わりの1か月前までに行うものとされています。延長するときは、そのたびに手続きが必要です。
2. 個人単位の期間制限
派遣会社は、同じ派遣労働者を、派遣先の同じ組織単位に3年を超えて派遣できません。
こちらは、事業所単位と違い、派遣先の手続きで延長することができません。
組織単位とは、「課」やグループのような、業務のまとまりを指します。施工管理の場合、同じ部署の同じ体制で3年を超えて働くことはできない、と考えると分かりやすいです。
どこまでが同じ組織単位にあたるかは、派遣先の組織の実態で決まります。契約前に、派遣会社へ確認しておくと安心です。
3年に達したら、実際にどうなるのか
個人単位の上限に達しても、働く場がなくなるとは限りません。
厚生労働省の資料では、同じ人を同じ課へ派遣できないだけで、課が異なれば同じ人を派遣できるとされています。
また、同じ課に別の人を派遣することは可能です。つまり、制限を受けるのは「同じ人×同じ課」の組み合わせです。
3年が近づいたとき、考えられる流れは、主に次のとおりです。
- 同じ派遣先の、別の組織単位で働く
- 派遣先に直接雇用される
- 派遣会社から別の派遣先を紹介される
- 希望に合う先がなく、契約が終了する
どの流れになるかは、派遣先の状況と、ご本人の希望によって変わります。
別の派遣先の事業所に移る場合は、その事業所での就業として扱われます。
なお、現場の工期は案件ごとに異なり、3年に届く前に現場が終わって契約が終了することもあります。契約期間と工期の関係は、契約の前に確認したい点です。
3年ルールのよくある誤解
1. 「3年たつと契約が終わる」
個人単位の上限は、同じ組織単位に派遣できる期間の話です。別の組織単位や別の派遣先での就業は、制度上の上限にはあたりません。
ただし、実際に働き続けられるかは、派遣先の受け入れ状況によっても変わります。
2. 「3年たてば自動的に正社員になれる」
派遣会社は、派遣先に直接雇用を依頼する義務を負います。しかし、直接雇用は派遣先が判断することで、法律が採用を約束するものではありません。
そのため、派遣先から声をかけてもらえる実績づくりと、ほかの選択肢の確認を、並行して進める考え方が現実的です。
3. 「事業所単位と個人単位は同じ」
事業所単位は、派遣先が手続きを行えば延長できます。個人単位は、延長できません。
求人や面談で「3年まで」と説明されたときは、どちらの制限の話なのかを確かめてみてください。
3年ルールの対象にならないケース
次のケースでは、事業所単位・個人単位のどちらの期間制限もかかりません。
- 派遣会社と無期雇用契約を結んでいる方
- 60歳以上の方
- 有期プロジェクト業務に就く場合
- 日数限定業務(月10日以下など)に就く場合
- 産休・育休・介護休業の代替要員として就く場合
施工管理の方に関係しやすいのは、最初の2つです。
経験を活かして長く働きたい方にとっては、期間制限のかからない働き方があることを知っておく価値があります。
無期雇用派遣は、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結ぶ働き方です。契約の中身は会社ごとに異なるため、条件の確認が欠かせません。
アークシンクでは、社内審査を経て無期雇用に転換する制度があります。審査のうえで決まるため、転換の条件は個別にご説明しています。
3年が近づいたとき、派遣会社が行う「雇用安定措置」
個人単位の上限に達する見込みで、その後も働くことを希望する派遣労働者に対して、派遣会社は「雇用安定措置」を行う義務があります。
措置の内容は、次の4つです。
- 派遣先への直接雇用の依頼
- 新たな派遣先の提供
- 派遣会社での無期雇用(派遣以外の仕事)
- その他、安定した雇用の継続を図る措置
新たな派遣先の提供は、ご本人の能力や経験に照らして、合理的な条件であることが求められます。
最初に行うのは、派遣先への直接雇用の依頼です。直接雇用に至らなかった場合は、残りの措置のうち、いずれかを行います。
どの措置を希望するかは、早めに確認するのが望ましいとされています。
同じ組織単位での就業見込みが1年以上3年未満の場合は、努力義務になります。無期雇用の方と、60歳以上の方は対象外です。
アークシンクでは、派遣先に認められて直接雇用のお話が出た場合も、紹介料はいただいていません。派遣先が声をかけやすくなり、正社員への道が開きやすくなります。
3年を迎える前に確認したいこと
3年ルールの影響は、契約前の確認で、大きく減らせます。面談では、次の点を聞いてみてください。
- 自分が入る組織単位はどこか
- 就業開始日と、上限になる時期
- 無期雇用への転換制度の有無
- 上限に達したあとの雇用安定措置の内容
- 直接雇用になる場合の費用の扱い
口頭の説明だけでなく、契約書や就業条件の書面でも確かめられると安心です。
施工管理は、現場が変わるたびに環境も変わります。だからこそ、先の見通しを担当者と共有しておくことが大切です。
アークシンクでは、担当者が毎月1回、現場に顔を出し、仕事の悩みなどをお聞きしています。3年が近づく前でも、将来の希望をいつでもご相談いただけます。
まとめ
派遣の3年ルールは、同じ人が同じ組織単位で働ける期間の上限を決めるものです。
上限に達しても、別の組織単位での就業、直接雇用、新しい派遣先など、次の選択肢を用意するしくみがあります。
無期雇用の方や60歳以上の方のように、対象外になるケースもあります。
契約前に、組織単位、上限の時期、上限後の措置の3点を確認しておくと、見通しが立てやすくなります。
制度は改正されることがあります。最新の内容は、厚生労働省や労働局のページでご確認ください。
まずはお気軽にご相談ください
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